leather bag「君って、可愛いだけのお飾りだよね?」
knit bag「ふふ、よく言うよ。君こそ、持ち主の気まぐれで高いのに無理して買われただけじゃないか。結局のところ、高級に見せかけた自己満足のためのファッションアイテムだろ?」
leather bag「おいおい、君は自分がどう見えているかわかっているのか?カシミア混だかシルク混だか知らないが、いつかは毛玉まみれになる運命だぞ。あまりにカジュアルすぎて、フォーマルなシーンでの出番はないじゃないか!」
knit bag「あぁ、確かに毛玉はつきものさ。でも、それって愛されて使われている証だよ。君みたいに、パーティの時だけお飾りとして使われるのとは違う。僕はいつでもどこでも一緒さ。」
leather bag「なるほどね、 『愛されている』 か。ところで、その持ち主の 『愛』 はいつまで続くんだい? 次のシーズンで新しいデザインが出たら、飽きられて君はメルカリにでも売りに出される運命じゃないのか?」
knit bag「君だって、今はピカピカだけど、傷や汚れがついたらどうなるのさ?修理に出すほどの価値もないくせに。今の君の輝きだって一瞬のものさ。」
leather bag「そんなことはないさ。僕は質がいいから、多少の傷や汚れは『味』になるのさ。ヴィンテージとして価値が増すのが僕の運命さ。君のような一時的な流行り物とは違うんだ。」
knit bag「ヴィンテージだって?それって、ただ自分が忘れられるのを恐れているようにしか聞こえないけど。結局のところ、僕たちバッグは誰かに使われてこそ存在意義があるのさ。だから、使われている時が僕たちの価値そのもの、それが喜びでもあるんだ。」
leather bag「…なるほど。確かにね。僕たちがどれだけ可愛いだとか高級だとか言われても、結局は持ち主の気分次第かもしれないな。でも僕はまだ、選ばれる側の高級品さ。そこが君との決定的な違いだよ。」
knit bag「ふん、選ばれる側かどうかなんて一時的なものに過ぎないさ。気がつけば、僕たちどっちもリサイクルショップに並んでるかもな。」
その時、クローゼットの扉が開き、持ち主は二つのバッグには目もくれず、新しいベルベットのバッグを手に取った。クローゼットの扉が再び閉まり、辺りは再び暗闇と静寂に包まれる。
knit bag「…。」
leather bag「まあ、そうだな。。。」
¥22,000
wool 80% cashmere 10% silk 10%